閉経後の方へ

骨折と歯周病に要注意です。

女性は閉経前後から、女性ホルモンの分泌低下に伴い、全身の骨密度が急速に低下しはじめます。それにより、骨の組織がスカスカになる病気を骨粗しょう症といい、骨粗しょう症による骨折は脳卒中とともに、寝たきりの二大原因にあげられます。

また、骨粗しょう症になると、歯周病が進行するリスクは約2倍に高まるといわれます。閉経期以降は、骨折にじゅうぶん注意するとともに、歯周病を防ぐケアにもますます力をいれたいものです。

このように今現在、歯周病と関連のあることがわかってきた全身疾患は

 糖尿病
 心臓病
 早産・低体重児出産
 肺炎
 肥満(メタボリックシンドローム)
 骨粗しょう症
 と言われています。

歯周病は全身疾患と複雑に絡み合い、相互に影響を与えています。内科を受診した場合、歯周病の治療に対してアドバイスを受けることはまれかもしれませんが、内科で診断を受けたら歯周病を、歯周病の診断を受けたら全身疾患を考慮に入れて積極的に治療することが大切です。

「歯周病とは別の病気だから無関係」というわけではないことを心に留めることが、両方の病気にも好ましい結果をもたらすことにつながります。悪化して、自覚症状や合併症が現れてから治療をはじめるのではなく、間食や喫煙習慣をなくすといった生活習慣の改善や、検診によってブラッシング指導を受けたり、定期的に歯石除去を行うことで、歯周病はもちろん、そのほかの病気の進行を食い止めていきたいものです。

女性の身体は、初潮を迎えたあと、周期的に女性ホルモンが分泌され、その後、更年期、閉経を迎え、女性ホルモンの分泌量が激減し、急激な骨量低下を来します。これにより、骨がスカスカになって起こる病気です。自覚症状がないので、腰痛や身長低下、ちょっと転んだだけで骨折といったことから判明することが多いようです。

では、閉経後骨粗しょう症の歯周病への影響のメカニズムはどうなっているのでしょうか。
閉経後骨粗しょう症は、閉経による卵巣機能の低下によって発症し、女性ホルモンであるエストロゲン分泌の低下に起因します。エストロゲンは骨代謝の調節に関わる物質の分泌に影響を及ぼすことがわかっています。骨代謝には骨形成と骨吸収が含まれ、エストロゲンはこのどちらにも影響を及ぼしますが、特に骨吸収に関わる物質が活性化されることがわかってきました。そしてその物質は、歯周ポケットの中に存在することが明らかになったのです。

つまり、閉経後の女性では歯周病の進行過程において、エストロゲン欠乏により、顎骨の歯槽骨密度も減少し、歯周ポケット内では骨吸収に関わる物質の異常亢進を促し、発症した歯周炎に影響を及ぼしているようです。